大島理森が語る

2012年10月アーカイブ

民主党の政権運営と問責決議の扱い

臨時国会が10月29日に招集されることが決定されたそうだ。民主党および野田内閣が新しくスタートして1か月以上経つが、その間、党首会談や田中法務大臣の実質的な更迭等があった。政府与党の責任という立場から、彼らは「国民生活にとって最も大切な特例公債法」と言うが、それを通したいとすれば私に言わせると「遅い」。逆に、政府・与党が特例公債法を人質に取って国会を短期間に済ませ、約束である信を問うということを果たさず逃げたいという意図が見え見えのような気がする。将棋で例えるならば、王将を他の駒で囲って守る「穴熊囲い」のようでとにかく逃げ切りたい。しかし、「穴熊囲い」の最大の欠点は、王将の逃げ道がないということだ。今の政権運営はそれに似ている。
従って、わが党が野党第一党として、自公でしっかり連携し明確に戦う方針を固めて攻めていけば、解散の道筋が見えてくるのではないか。それは、政府に時間のゆとりがないということだ。
さらに、参議院の問責決議案について触れたい。野田総理は少し勘違いしているようだ。問責は、社会保障と税の一体改革は三党で合意するが、3年間の民主党政権には正当性がないということで決議したわけだ。即ち、民意を問い信任ある政治の再生をしようという決議であり、非常に重い。このことを野田総理はしっかりと受け止めなければいけない。と同時に、自公も参議院の決議をどのように噛み合わせるかということをしっかり話し合って、国会の対応にいかしていかねばならない。
解散に追い込むことこそ現下の国益であり、そのことが明確になれば、重要課題が解決できるのではと思う。

話は変わるが、CSISというシンクタンクとのセッションがあった。これは、麻生元総理が日本側の受け手としてずっとやってきているもので、私も毎年参加している。セッションにはジョン・ハレムさんやマイケル・グリーンさんやリチャード・アーミテージさんなどが参加していた。唯一ではないが、ワシントンで日本のことを考えてくれているシンクタンクだ。久しぶりに崇高な時間を過ごしたが、非常に厳しい意見交換をする中で、外交の重要性、立て直しを痛感したところだ。

与野党幹事長・党首会談と特例公債の扱い


 冒頭に、沖縄で起こした米兵の大変な不祥事に関して、沖縄の状況が難しくなっている時に、再発されないような対策を、総理がアメリカとしっかり話して対応をしないと、県民の信頼を得ることが一層難しくなることを危惧している。

 本日、13時30分から三党の幹事長会談が開かれるようだが、三党合意に深くコミットしてきた者として次のことを申し上げたい。
 三党合意がなされたことは、日本の政治史の中でも非常に大きな意義があることだと思っている。三党合意は出来上がっているが、国民との合意なしでは画竜点睛を欠くと言わざるを得ない。やはり、国民との合意を作ること、そのために野田総理は「近いうちに民意を問う」と言ったわけだ。したがって、私はそういう観点からも、野田総理はそういう思いを依然として持っていると信じている。
 本日の幹事長会談でどのような返事をするかは分からないが、野田総理が党内を抑えて準備ができたら、その時点で安倍総裁としっかりと話をすべきではないかという思いで見つめている。

 特例公債の問題で一言申し上げるが、本来、特例公債は年度予算が成立する時に、与党が全責任を負って処理しなければならないにも拘らず、今日まで放置してきたことは、すべからく政府・与党の責任だ。我々が国会運営の責任を持っていた与党の時に、どれほど成立させるために万全の態勢を取ってきたかを考えると、今の野田、政府・与党は、基本論を今一度考えるべきだ。
 そういう状況の中で、29日に国会を召集したいという報道があるが、そういうことがあったとするならば、11月末までには特例公債に基づいた処置をしなければ、今年度の予算執行ですらおかしくなってくる。そういうことを考えると、29日に招集したとして、国会が始まった後で一定の必要な日程、さらにASEMの日程を考えると、実質的な審議時間は2週間あるかないかと見通しが立てられる。そういう状況を考えれば考えるほど、自公の協力なしにできないわけだから、政治を動かせないわけだから、そういう決意を幹事長、党首会談で野田総理は筋道を言わねばならないし、まして、こういう状況や日程を考えた時に、本当に党首会談で解決したいというのであれば、パッケージで提示するのがありうべき術だ。
 ただ単に、立ち技で党首会談をやり、「我々はここまでやったが野党の諸君が拒否したからできなかった」という言い訳づくりにしてはいけない。我々は、昨年、民主党に対して震災後にマニフェストを変更させたし、今度の三党合意の流れは、野田総理は総理なりに日本の政治を見ていて努力をしてきた。評価すべきものは評価したいが、今、総理が決断すべき時だと思う。
 11月、12月にはアメリカ大統領選挙、中国の共産党大会、韓国の新大統領が決まり、決まれば大胆に国際政治は動くであろう。だとすれば、今国会中に特例公債法、あるいは0増5減も処理し、三党合意を今度は国民との合意にする、その機会を作ることが経済対策であり、国益に合致することだと思う。
 特例公債法成立の見通しがないのに補正予算の話をするということは、順序が逆である。特例公債を、自公の主張をちゃんと取り入れて成立させることこそ、確実なる経済対策の第一歩だ。そのことも付言して申し上げる。

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