大島理森が語る

2012年11月アーカイブ

2012.11.15

野田総理の決断と総選挙後の三党合意について

 野田総理が、明日16日、解散することを決断したことは、率直に評価してよいと思う。
谷垣前総裁、山口代表、野田総理の下で行われた三党合意の最後の場面での「近いうちに解散」は、自民・公明に対する約束であると同時に国民に対する約束である。結果として、野田総理がギリギリのところでそういう決断をしたことに一番びっくりしたのは、民主党の議員だと思う。勿論、なぜ昨日表明したのかなどについてはいくらでも解説はできるが、いずれにせよ、総理は大変な決断をしたわけだ。
 いわゆる「ねじれ」の政治状況の中で、今、政治家や政党は、重大問題に対して国民のために合意を作ることを求められている。絶えず苦渋の決断が求められると言ってもよい。そこには、政党同士が戦いながらも、そこはかとない敬意と信頼がなければならない。これは私自身が実際にやった経験からくる政治論である。今回の決断は、その一線がギリギリのところで守られたというのが私の評価である。
 いよいよ解散・総選挙になるが、お互い堂々と戦い、戦いが終わった後は、三党合意の責任を自民・公明・民主が負っているわけで、経済対策、税の在り方、社会保障の在り方等を着実に進展させ、結論を得ることが我々の責務である。昨日の党首討論で、安倍総裁が定数削減を含めた選挙制度改革もしっかりやると返答し、また、自民党も定数削減を公約に掲げているので、選挙後、これらの問題に取り組む必要があるだろう。経済・外交・教育・憲法・災害復旧・復興・地域のありようなど大きな課題が残っている。三党合意の実行を軸にしながら、時に議論し、合意を作っていくという、日本の政党政治の機能の復興が、選挙後の課題だと思う。
 率直に言って、新党にはそういう政治形態を作ることは無理だと思う。だからこそ、安倍総裁を先頭にして戦いに勝利し、自民党がその軸になって責任ある政治の展開をはかることが、選挙の最大のポイントだと思う。
 三年間、野党の幹事長、副総裁を谷垣総裁の下でやったが、その根底には政権奪還という目標があった。いよいよ、政権奪還に挑戦できる機会が訪れた。全力を尽くし勝利へ向かって進みたい。

2012.11.08
文科相の資質と野田外交の現状


 先般、衆議院文部科学委員会があり、私も早朝から出席して質疑、とりわけ田中真紀子文科相の答弁を聞いた。今日いらっしゃる森山眞弓元文相は、大学の理事長をやっておられるが、田中大臣の答弁を一言でいえば「ひどい」、態度もひどかった。大臣たる対応と態度ではない。混乱を引き起こしては夕方に改める。朝令暮改ならぬ「朝乱暮改」だ。
 全ての政策、全ての仕事に通じることだが、信頼なくして事は進まない。従って、信頼を失ったリーダーの言葉は胸に響かないし、そのもとで文部科学行政が進むわけがない。大臣自らが身を処するか、でなければ総理の決断が必要になるだろう。

 野田総理の置かれた状況を客観的にみると、ロシアのプーチン大統領との会談延期やASEMにおける胡錦濤主席との「すれ違い」、由々しき状況だ。今や、世界のリーダーは野田総理と話をしても進まないことを表す象徴的な二つの報道だ。オバマ大統領が再選され、中国も新指導部に代わり、これから世界はダイナミックに動こうとするだろう。その時に野田総理とは「話しても無駄」と思われている。日本の国益に甚だ反する。野田総理はそんな存在になっている。
 このように、内外に閉塞感のある野田総理のやるべきことは、速やかに民意を問い、日本の政治を国民の負託を受けた状態に再生させることだ。

 特例公債法の審議が今日から始まる。始まるにあたっては総裁の判断があった。法案の審議はするにしても、予算委員会は行わなければいけない。十分にやれる日程はある。総理が決断さえすれば、衆議院の定数是正、0増5減もすぐにでもできるはずだ。野田総理の一番の責任は、そういう勇気ある決断だ。
 「近いうちに」を今さら言わないが、不履行ではいけない。民主党がどうとか選挙をやればどうとか新党ができればどうか、今必要なことはそういうことではなく、負託を受けた新しい政治体制を作り、進めていくことだ。そのことを強く望む。

代表質問と今後の国会について

昨日の衆議院本会議で、安倍総裁と甘利政調会長の堂々たる代表質問があった。それに対する野田総理の答弁や、自身の醸し出す雰囲気を一言でいうと、全く気迫がない。困難な国会をどのように乗り切るか、その責任を含めて気迫がない。従って、中身もない状況だ。民主党議員の野田総理の答弁に対する拍手を見ていると、所信に対する拍手がまばらだったことから、国対委員長に言われて無理やり拍手をさせられているような気がする。ポイントがずれた拍手が結構あった。拍手をしている民主党の議員自身も空虚さを感じているのではないか。
総理の今おかれている状況は、相撲に例えていうと、俵に足がかかっている状況だと思う。特例公債法は、すでに何度も言うとおり、政府・与党の責任で成立に向けて最善の努力をしなければならないものだ。
総理は、解散時期に関して、今度は、経済の問題を言い出した。しかし、今、本人が何をしなければならないことは自明のことだ。それを野田総理に改めて申し上げたいし、私の知っている民主党の議員にもこれから強く申し上げていく。なぜ、年度内に特例公債法を成立させなかったのか。なぜ、臨時国会の召集をこれほどまで遅らせたのか。自ら時間を制約しながらも野党のせいにする魂胆が見えてくるが、自分で自分の首を絞めるようなものだ。
これから幹事長や国対委員長の下で国会が運営されるが、まずは予算委員会をしっかりとやって野田政権の在り方を問い質していかねばならない。従って、予算委員会の十分な審議時間を取って、代表質問の細部を具体的に聞き出し、総理に約束を守らせるように努力しなければならないと思う。

石原東京都都知事が突然辞任し、国政を目指すことが華々しく報じられている。いわゆる「石原新党」の行方がどうなるのかはわからないが、知事選は12月に行われる。大きな選挙なので、自民党執行部もこれから準備をすると思うが、来年の都議会選挙、総選挙を勘案した上で総合的に判断するものと思う。
いずれにせよ、「近いうちに民意を問う」は、総理自身が言う通り、重いものである。私が副総裁の時から言っているように、三党合意できた諸施策を堂々と国民に聞くことで「決める政治」「進める政治」が生まれるものだ。このことを改めて総理には認識していただきたい。

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