大島理森が語る

2013年12月アーカイブ

 猪瀬東京都知事が、5000万円の問題で都政に混乱をこれ以上起こし続けてはいけないということで、辞意を表明した会見をちょっとだけ拝見しました。東京オリンピックということを考えますと、このまま混乱が続き、都議会との信頼関係が失われた状況で都政を運営するということは不可能だろうなあと思いながら見ておりました。辞意を表明する時期としてどうであったかは別にして、オリンピックを成功しなければならない状況の中で、新知事を選ぶ選挙をやらなければいけなくなりました。
 国政の立場から来年の政治動向を見ますと、国会は1月24日開会と言われております。1月19日には沖縄県名護市の市長選、その後東京都知事選と、国政にも大きく影響する二つの選挙があります。自民党執行部におかれても、相当引き締めてこの二つの選挙の対応を考えていると思いますし、大きな政治の流れの中でも大きな影響のあるという観点から、本当に真剣にしっかりと取り組んでいただきたいという思いでいます。1月の総理の外交日程も非常にハードなものと伺っておりますが、なるが故に、党を挙げて人選含めて「世界の中における東京」という観点からも立派な人を選んでやっていただきたいと思う次第であります。

 予算の方も、厚生労働関係の診療報酬の問題が明確に決着したとは伺っておりませんが、今日明日で決着させなければならないと思います。その他の分野については、ほぼ税も含めて来年度予算の全容が固まったと伺っておりますが、来年の通常国会では、景気対策も含めて、これらの準備にしっかりと取り組まなければならないという思いでおります。

 12月20日に、復興加速化の3次提言に基づいた原子力災害対策本部が開かれ、閣議だと聞いております。それを踏まえて、復興本部として報告を頂くことになっております。私たちの提言を、総理のリーダーシップのもとで各省において検討され、年内に対応策について政府の取り組みが明確になります。
 いよいよ来年は、復興についても、福島県以外の被災地については、さらに事業が進み、被災者の皆さんが頑張ってやっていけるような、そして未来に向かって自立の気概を持って進めるような年にしなければなりませんし、福島の場合は、原子力事故の災害から確実に復旧が進み始めた、という姿を作っていくための最善の努力、結果を生む1年にしなければいけないのではないか、と思います。

 来年の話をするのは早いかもしれませんが、来年は、安倍内閣の今日まで進めてきた政策、経済でいえばデフレ脱却という、その成長戦略がオールジャパンとして地域にも行き渡るような年にしなければなりません。また、臨時国会で成立した特定秘密保護法が国民の理解を頂けるように努力しなければなりませんし、TPPの行方も年明け早々にまた様々な交渉が行われると思います。
 4月には、消費税アップという現実があります。さらにその先には、消費税の税率引き上げにどう結論を出すかという問題もあります。
 外交では、日中、日韓のありようについても、なんとか対話の道筋をつけながら極東アジア、東アジアの安定のためにも努力していかなければならない年でありましょう。
 総じて、我々は国民の声に耳目を傾けつつ、しかし最後には結論を出さなければなりません。驕りに見えない形で、成果を丁寧にひとつひとつ説明し、理解をいただき、答えを出していかなければならない1年になるんじゃないかと思います。

臨時国会を終えての所感

2013.12.12
臨時国会を終えての所感

 臨時国会を振り返って、私どもは参議院、衆議院ともに国民の皆様方の期待と支持をいただきましたことは、大変な野党時代のことを考えますと、改めて、ありがたいと思います。と同時に、次期通常国会では、この数をいただいたことに対して、それの国民の目線というものを、その信任の意味を考えていかなければならないのではないかと思います。

 特定秘密保護法という非常に難しい法律について、国会では、最後は大変大きな混乱を呈していました。野党の皆さんも様々な提言をし、与党も妥協できるように努力をしました。したのですが、混乱しているという姿が、実はこの法案のイメージを作りかけているような気がします。したがって、今後は、我々一人ひとりの自民党の議員が、その内容や意味を国民の皆さんに対して説明していく姿勢が求められていくと思います。多くの国民の期待をいただいた我々には、一方において国民の声を聞く機会もあります。しっかりと驕ることなく、政治運営に関しては謙虚に立ち向かっていく、改めてこの姿勢を忘れずに進めていくことが大事だなと思っています。

 みんなの党での起こっている分裂騒動といいますか、また野党の中で離党する、しないということが起こっているようです。これが野党再編という形になるのか分かりませんが、この20年、新しい党ができたり、それがまたなくなったり、そしてまた新しい政党が生まれるという歴史であったことを考えますと、政党の使命をもう一度それぞれが考えていく必要があるのではないでしょうか。国民が期待するのは、いろんなことがあったとしても政党というものを、しっかり歯をくい縛って存続させて、論陣を張って国民の前に政策の議論の展開をしていく役割を果たすことだと思います。他の政党のことではありますが、「どっしり構えた政治をやれ」というのが、衆議院、参議院選挙での国民の声であったと思います。政党のリーダーは、そのことを踏まえて頑張っていかなければならないのではと思いながら、遠くから見つめているところであります。
 また、都知事にまつわる話で、都議会が大変な議論をしているようです。せっかく、国民総ぐるみで誘致した東京オリンピック、希望に向けて頑張ろうというその時に、主催地である東京都知事にまつわる話は、決してプラスではないなと思い、これもまた心配して見守っているところです。
いずれにしても、今日、税制大綱が終わり、これから来年度の予算編成に入ります。アベノミクス3本の矢をしっかりと形作るための補正予算、本予算ということで、今、私どもは努力しておりますし、来年は、しっかりと地に着いた成長戦略、デフレ脱却に向けて行く年にしなければいけないと思います。
 TPPは、なかなか「日米の隔たり」どころではなくて、市場アクセスを中心に非常に隔たりがあるようです。これもまた来年の課題になります。
 来年はそういう意味で、またいろんな問題がありますが、わが党のみんなで力を合わせて乗り越えていかなければなりません。それ故に、冒頭申し上げた謙虚に、しかし脇を固めて1歩1歩国民の理解を得ながら政治を前進させていかなければならないという思いです。

2013.12.05

特定秘密法、成立後も国民の理解を得る努力を

 会期末を明日に控えて、参議院の法案処理、とりわけ特定秘密保護法関連で昨夜も今朝4時ごろまでやられたと聞いております。この臨時国会が、今日明日で終わらせるために、参議院の与党側として精一杯の努力をしておられると思います。その他の法案もあるようですが、なかなかこうして参議院のご努力を見ておりますと、明日もひょっとしたらギリギリまでかかるのかなという感じが致しますが、国会は会期末にはいろいろなことが出てくるものですから、注意深く見守りたいと思います。いずれにせよ、国会が終わった後に、国民に対して、この特定秘密保護法の理解を求めていく努力が一層大事であるという思いであります。

 アメリカのバイデン副大統領が来日し、総理と会談をされました。報道によりますと、中国の防空識別圏の問題に対する認識は、遺憾である旨で一致したようです。来年は、我が国として中国、韓国との関係が依然として厳しい状況になっている中で、いろいろな意見交流が出来る環境をいかに作っていくかが課題になろうかと思います。

 いよいよ、来週からTPP交渉の閣僚会合が始まるところに、甘利大臣が心労で入院という報道がありましたが、甘利大臣は非常にタフなネゴシエーションをしているということを伺っています。早く体調を回復していただき、しかし焦ってはいけませんが、頑張っていただきたいものだと思います。

 農政の大改革が行われようとしている時に、本日、ユネスコで「和食」が無形遺産登録されることが決定しました。大変嬉しいことで、一層クールジャパンとして和食を広め、農業の発展の礎、きっかけになればよいと思います。しかし、食品偽装については身を正してやっていく必要があります。

いよいよ、これから補正予算の詰め、来年度予算の詰め、税調もありますが、わが党は、一つ一つ真摯に、謙虚にことを進めていくことが大事だと思います。

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